森と人を繋げる循環のまちづくり
京都府与謝野町は周囲を山に囲まれ、まちを流れる野田川は日本三景・天橋立を望む内海、阿蘇海へ注がれる自然豊かな町です。穏やかな山ではありますが、手入れの行き届かない人工林は、木々がやせ細り近年多発している局地的豪雨による災害の危険性も抱えています。
山が元気になる
人工林は人が手入れをすることで、元気になります。大きく育てる木を残し、周辺を整備することで根っこが広く張り、保水力を高める事で、災害に強い森に生まれ変わります。
木材輸入の自由化により、国内の木材の活用ができていない状況が続いた日本の山は、森林整備が十分に行き届かず荒れ果てた状態になっているのが現状です。森林がもっと身近なものとなり、人が入り整備される。健全な山から安全な木材が切り出され、暮らしの中で木製品として使われていく。私たちが考える持続可能な自然循環型森林社会は、とても小さなものですが一つのきっかけとして全国に広がる事を願っています。有限会社植田建築は森を整備しながら、伐採された与謝野町の「強度の高い木」を使って日用品を製作・販売することを目指しています。
海が元気になる
健全な山に浸透した地下水は、有機物やミネラルを蓄え、川を通して海に運ばれ、栄養豊かな水は海洋生態系に大きな影響を与えます。
現在のやせ細った山から運ばれる水が海に与える影響もまた大きいものでしょう。人の手が入り整備されることで山が健全になると、海も豊かに、元気になっていきます。私たちは、この循環を守っていきながら持続可能な森林社会を作っていきたいと考えています。
人が元気になる
子孫に残すために手入れしながら何十年も何世代にも渡って受け継がれた森林資源を世に出すためには、『植える・育てる・使う・植える』のサイクルの循環の維持が必要になります。このような自然循環型森林社会が作られることで、森林資源を半永久的に有効に活用できます。食の地産地消と同じく、木の地産地消をすすめることで、森林整備に係る財政が抑えられるだけでなく、川や海が健全に戻り、現在より良質なミネラルが放出され、田畑の有機物を増やし、実り豊かなおいしい米や野菜ができ、子孫に豊かな森林資源、豊かな土地と海を残すことができるのです。